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業務・組み込み用に用途広がる無線LAN
~セキュリティ/フレキシビリティ/マネジメントを軸に展開~
コンテックは、ダイフクグループのコア事業のひとつである電子機器事業を手掛けています。1975年、インナーベンチャーとしてダイフクから独立。計測・制御分野からスタートし、パソコン組み込みボードや産業用コンピュータ、ソフトウエアまでさまざまな製品を開発し製品化してきました。この間、装置相互間や上位システムとの通信の必要性から、今日では一般的となっているTCP/IPを20年近く前に自社開発してパソコンボードに搭載、また日本のLAN元年とも称される1990年、NetWareが日本に上陸した折には、国内のパソコンほとんどの機種に対応したLANアダプタを一斉に発売するなど、ネットワーク分野にも深く携わってきました。
最近、産業向けとしても普及が著しい無線LANにスポットをあて、コンテックの取り組みについてご紹介します。
無線LANは、ネットワーク配線に縛られないレイアウトフリーのオフィス実現、優れたモバイル性、レイアウト変更に伴うLAN配線工事材の削減による環境負荷の軽減、などの利点が評価され、広範な分野から注目を集めています。コンテックでは早くからこの無線LANに着目。1997年、最初の商品として「FLEXLAN」1Mbpsタイプを開発しました。それ以降もIEEE802.11の規格制定に合わせ、シリーズ商品として2Mbps、11Mbps、54Mbpsタイプを開発し製品化してきました(図1)。
コンテックの無線LANビジネスの特長は、一貫してエンタープライズ市場をターゲットとし、コンシューマ向け製品とは一線を画してきたことにあります。ハード、ソフトとも自社開発という利点を生かして、高度なセキュリティ、信頼性、保守性、設置性を確保し、さまざまなユーザーへのフレキシブルな対応を可能としています。
■FLEXLANシリーズの主要製品
| アクセスポイント | マイクロ・ アクセスポイント |
PCカード・ ユーザーユニット |
長距離通話用 アクセスポイント |
|---|---|---|---|
| FX-DS540-APW (af) | FX-DS540-APDL (af) | FX-DS540-PCD2 | FX-DS540-LNK |
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| IEEE802.11a/b/g デュアルバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g 選択式 |
IEEE802.11a/b/g 自動認識(固定可能) |
オプションアンテナにより最大5km通信可能 |
FLEXLAN DS540シリーズは、IEEE802.11a/b/gに対応し、表以外にも豊富なオプションアンテナやイーサネットケーブルからの電源供給ユニットなどもラインアップし、幅広い要求に対応します。
1. コンテックの無線LANの特徴
無線LANが注目されるなか、セキュリティなどへの不安から、ビジネス用途への導入をためらう傾向も一部では存在しました。コンテックでは「安心して無線LANをビジネスシーンに活用したい」とのユーザーのニーズに応えるため、「セキュリティ」「マネジメント」「フレキシビリティ」の3点を軸に、無線LANソリューションを展開しています。
1)セキュリティネットワークをビジネスのインフラとして活用する際、セキュリティへの取り組みが重要であることは言うまでもありません。不正アクセスや情報漏えいなどを防止するため、企業ネットワークではさまざまなセキュリティ対策が実施されています。一方、無線LANでは過去、往々にしてセキュリティ上必要な設定がされていないまま使用されたり、従来のセキュリティ機能そのものの脆弱(ぜいじゃく)性が指摘されるなど、ビジネスシーンでの利用には危険性が高いとの見方が新聞・雑誌をにぎわした時期もありました。
コンテックの無線LANシリーズは、最新のセキュリティ規格であるWPAに対応、セキュリティの中心となる「認証」「盗聴」において、IEEE802.1X認証システムや次世代暗号化方式AESなどを利用することができます。さらに、暗号化方式が業界として規定される以前から、無線LANには暗号化が必要との認識のもとに独自の暗号方式WSL(Wireless Security Link)を開発、併用(複合化)可能な形で搭載しています。現在、この機能はLAN機種選定の際の重要なポイントとなっています。
また、IEEE802.1Xを実現するために必要な認証サーバユニットも手軽なタイプを開発、環境構築を支援しています。SVR-RDS(FIT)L(写真1)は、手のひらサイズながらCA(認証局)と認証サーバ(RADIUSサーバ)の機能を併せ持つIEEE802.1X認証サーバユニットです。これを使えば、専用サーバ機、高価な専用ソフト、専門技術者が必要だったIEEE802.1Xシステムの導入が、端末200台までの規模であれば、15万円程度で手軽に導入することができます。
写真1:「SVR-RDS(FIT)L」。
証明書を利用して接続認証を行い、暗号化されたデータ解読用のキー(鍵)を定期的に更新し、他人の侵入による盗聴を防止する。
無線LANをビジネスインフラとして活用する場合、社内のどこからでもシームレスにアクセスできるさまざまな機能が求められます。自分のデスクで、会議室で、工場内で、あちこち移動しながらノートパソコンを駆使して、アクセスポイントやルータの存在を意識することなく自由にアクセスできるフレキシビリティ。そしてストレスを感じることのない高いパフォーマンス。コンテックの無線LANでは、ルータを超えた異なるセグメント間でもシームレスなアクセスが可能な独自のIPトンネル機能や、1台のアクセスポイントに5GHz帯、2.4GHz帯の2回路を搭載してデュアルバンドで帯域を確保する機種など、ビジネスユースに強力な機能を搭載しています。
3)マネジメントITをビジネスのインフラとして活用するためには、性能や信頼性に加え、運用管理をどれだけ簡単かつ確実に行えるかが重要になります。無線LANも同様で、電波という帯域の限られた資源を有効に使うため、また万一の障害発生の際に迅速な復旧作業を行うためにも、優れたマネジメント性が求められます。コンテックの無線LANは、効率的利用のための出力設定機能や優先AP機能、CFカードを用いた障害復旧対策などの機能を備え、ビジネスインフラとしてのニーズに応えるマネジメント性を提供します。さらに、集中管理でマネジメント性を飛躍的に向上させるため開発した管理ソフトウエア「FLEX HELPER」では、ネットワーク上に存在するすべてのアクセスポイントの設定、ステータス確認、ファームウエアや各種設定ファイルの書き込み・保存・再起動などを1台の端末から実行することが可能です。これにより見えない無線を可視化することができ、ネットワーク管理者やシステムインテグレータの負荷を大幅に軽減します。
2. 豊富な納入事例
コンテックでは、各業界のシステムインテグレータとともに、無線LANの特長を生かした需要を開拓してきました。OA分野のほか、マテハン分野ではピッキング台車やフォークリフトに搭載して作業を行いながら移動通信を実現。大規模店舗ではハンディターミナルやPDA、バーコードリーダ端末との通信に利用するなど導入が広がってきています。また、高いセキュリティ性や保守性が評価された事例として、金融ビジネス企業のネットワークインフラとしての採用、DVD動画の教材配信を含めた教育現場での採用などがあります。
さらに最近ではアミューズメント施設で来場者が持つ無線LAN端末で注文したり、センターマシンからコンテンツを無線LANで高速配信したりするサービスにも採用されています。ここではそうした豊富な事例の中から、医療・OA分野で特徴ある2つのケースをご紹介しましょう。
1)電子カルテと共に歩む(医療分野)1999年4月、将来に向けた医療の変化を加速させる出来事が起こりました。従来、紙による保存が義務づけられていた診療録が、電子情報保存でも可能になりました。いわゆる電子カルテが法的に認められたのです。それ以来、この電子カルテを核として医療のクオリティアップを図るため、各医療機関では情報化へ向けた取り組みが進められています。中でもとりわけ積極的なIT技術の活用で知られているのが、亀田総合病院殿(千葉県鴨川市)です。同病院の先進的な医療情報システム構築において、コンテックの無線LANが不可欠なツールとして導入されました。
亀田信介病院長は、コンテック事例パンフレット(写真2)の中で、「無線という特長が医療ほど有効に使われる分野は、他に存在しないのではないか」と指摘されています。また、なぜ無線LANに着目したかについても、次のように語っておられます。「医療というのは、ドクターやナースが場をどんどん変えながら行うものです。例えば、病室から病室へ、診療室へ、手術室へ。その際にオンラインのまま移動できなくては意味がありません。なぜなら、移動した先々でいちいち端末を起ち上げることになるからです。端末の起ち上げに要する何分かの時間の浪費が、医療の最前線では許されません。医療の世界では、オンラインのまま移動できる環境が求められるのです」。
同病院では、移動しながら使用できるIPトンネル機能を高く評価され、1999年9月、当時の最新鋭機種「FX-DS20シリーズ(2.4GHz帯、2Mbps)」を導入、今日も稼働しています。さらに、2005年4月に開業した約370床の全面個室型急性期病棟 「Kタワー」には、5GHz帯54Mbpsの「FX-DS540シリーズ」が追加導入されました。
この他にも多くの病院でコンテックの無線LANが活用され、電子カルテと共に医療のIT化に貢献しています。なお、医療施設内で携帯電話が禁止されるなど、電波の医療機器への影響が懸念されていますが、無線LANの電波はPHSよりも弱く、何ら影響を及ぼさないことが各施設で検証されています。
写真2:さまざまな分野の無線LAN導入事例
アプリケーションソフトを中心に、顧客のビジネス環境に合わせた先進的なソリューションを提供する埼玉リコー(株)(現リコー販売(株)埼玉事業本部)殿。新しいオフィスの形として、さまざまな業種や規模の顧客に無線LANの構築を提案されています。オフィスやネットワークのプロでもある同社では、「FLEXLAN FX-DS540シリーズ」を自社オフィスに導入すると同時に、信頼性が高く、コストパフォーマンスにも優れた無線LANシステムとして、お客様への提案にも積極的に採用されています。
同社では、自分たちの提案のメリットを、自分たちのオフィスでの使用環境を通じて理解していただく取り組みを「ライブオフィス」と呼称。本社2階フロアで使用している5台のアクセスポイントと70台のパソコン(70枚のPCカード・ユーザーユニット)による環境を、実務に供しつつ、販促イベントなどの際にお客様に公開し、無線LANによる快適なオフィスをPRする活動のステージとして展開しています。
事例パンフレットの中で責任者は、「通信の安定性については、私自身が最初は不安に思っていたのですが、ユーザーとして使ってみて一番実感を伴って納得できているポイントです。PRポイントとして大いに強調しています」。さらに、「FLEXLAN DS540シリーズを選んだ理由のひとつは、リーズナブルな費用で導入可能な点です。もちろん、安くても品質に問題があると困ります。安定性も問題ないコンテック製品は、ほかの同価格帯の製品より優れた点が多い。こうした状況を把握したうえで、FLEXLAN DS540シリーズの導入を判断しました」と語られています。
3. 無線LANの新しい潮流
最近のノートパソコンには、あらかじめ無線LANインターフェイスが組み込まれているタイプが増えてきています。ただし一般的に、パソコンに無線LAN機能を付加するには、PCIスロットやPCカードスロットに無線LANカードを入れて実現することになり、拡張スロットを有することが前提条件となります。一方、現在、LAN対応の業務用機器・装置・端末は数多く存在しますが、通常拡張スロットは装備されていないため、無線LAN化することができません。また、装置メーカ側で無線LAN機能を独自に組み込もうとすると、ハードウエアだけでなく、各種OSに対応したドライバやセキュリティ機能に代表される無線LAN独自のソフトウエアの開発が膨大で、簡単にはいかないのが現実です。しかし、それらの機器・装置・端末に対する無線LAN化の要望は最近とくに高まっています。
コンテックでは、このような要望にも適用できる機種として、有線・無線ブリッジとしての機能も持つマイクロアクセスポイント(図2)を提供しています。これは、機器がイーサネットコネクタ(RJ45)さえ装備していれば、その機器のOSが何であっても、接続するだけでその機器・装置・端末を最新スペックの無線LAN対応機にすることができるというものです。最近は、その中の基板を抜き出して機器に組み込んでしまう需要、もっと進めて機器の仕様・形状に合わせてカスタマイズして装置に組み込む、組み込み用無線LAN基板の需要も大きな市場になってきており、OEMで積極的に対応しています。
図2:マイクロアクセスポイントの概要
RL-45式のイーサネットコネクタを装備している機器であればOSを問わない。
最近のホットな話題で「IP電話」や、「モバイル・セントレックス」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。2005年2月、東京ビックサイトで開催された展示会「NET&COM2005」の当社ブースの一角に、ドコモエンジニアリング(株)殿の「企業IP内線システム」(図3)を展示しました。同展ではモバイル・セントレックス関連商品が多数出展され、IP電話ソリューションがマスコミ報道でも大きく取り上げられました。ドコモのFOMA N900iLは、VoIPの通信手段として一般的なSIPを実装、通信インターフェイスとして無線LANが採用されており、「持ち運べるIP電話」として企業内では内線電話、屋外に出れば携帯電話としてそのまま使用することができます。
図3:企業IP内線システム
コンテックブースに同製品を展示したのは、ドコモエンジニアリングの企業IP内線システムの商品構成に当社のアクセスポイントが採用され、組み込まれてシステム販売されるためなのです。
採用されたアクセスポイントは、従来機種の機能に加えて、VoIPなどの特定通信のために帯域を確保し、通信品質を保証する技術であるQoS(Quality of Service)にも対応。アクセスポイントの通信品質が通話の音声品質にそのまま影響するため、ドコモグループで多くの機種を検証された結果、音質も良好であるとして採用されたものです。また、評価・検証の過程で、総合品質を向上させるためのアクセスポイントのパラメータ追加などのチューニングも行っていますが、独自技術で自社開発を行っているからこその成果と自負しています。
無線LANの規格としては、5GHz帯54MbpsのIEEE802.11aと、2.4GHz帯54MbpsのIEEE802.11g、2.4GHz帯11MbpsのIEEE802.11bと、2つの周波数帯で3つの規格が存在します。802.11bが最も早く規格化されたため多く稼働していますが、後から規格化された高速の54Mbpsタイプが増えてきています。2.4GHz帯は他に電子レンジや医療機器の一部で使用されており、コンテックではパフォーマンスが重視される業務用にはクリーンな周波数帯である5GHz帯のIEEE802.11aを推奨しています。
なお、無線LANについての各種情報をコンテックホームページで公開していますので、導入検討の際に参考にして頂ければ幸いです。
http://www.contec.co.jp/product/special/flexlan/
〈DAIFUKU NEWS No.176(2005.06)より〉




